環境音を考慮したサイン音のデザインプロセスの構築と標準化への研究


サイン音のデザイン性の向上を目的とし、環境音から音響心理的に影響を与えるパラメタを抽出し、そのパラメタを利用したサイン音の自動生成システムを開発する。
従来のサイン音は再生される場所の環境音を考慮せずに作られてきている。しかしながらデザイン性を考えた場合、サイン音を聴取する環境との結びつきを考える必要がある。生態音響学的に考えた場合、環境音はその場に存在するものの特性を反映しているため、再生される場と調和したサイン音を合成するためには、音響的にも環境との調和がとれた構造になるようデザインする必要がある。
環境音はその場の状況に応じた音事象が融合しているため、それぞれの音事象を分離し、各事象の発音確率をもとに、発音予想モデルを構築する。このモデルによって、変動する環境音の全体の音響特性を予測させ、その特徴からピッチやラウドネス、調波構造などの情報をあらかじめ推定し、サイン音生成のための要素とさせる。そのために環境音下での最適ピッチやラウドネス、調波構造の心理的評価を行う。環境音にも中心周波数(高さ)を知覚することができるというSchaeferの考えに基づき、スペクトルセントロイドなどの物理尺度から知覚尺度への関係性を明らかにする。
また、環境音をリアルタイムに解析し、その特性に応じてサイン音の音楽的要素を可変させるデバイスの開発を行う。

研究代表者:川上央(日本大学芸術学部)
研究協力者:三戸勇気(日本大学芸術学部)
研究補助者:中西宣人(東京大学大学院学際情報学府博士後期課程)
大学院生:伊藤元成(日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程)
グラント:科学研究費基盤研究(C) 2012年4月1日〜2015年3月31日

研究成果
伊藤,川上,モバイル端末のための音による歩行誘導支援,音響学会春季,2014/03/10
中西,三戸,川上,環境音に音楽的に調和するサイン音再生システムの検討,音響学会秋季,2013/09/27
川上,船場,[招待講演]アート・エンターテインメント分野における音のデザインの動向,音響学会秋季,2013/09/26
伊藤,川上,サイン音によるモバイルナビゲーション支援,音響学会春季,2013/03/15
三戸,中西,川上,音楽的に調和するサイン音デザインを目的とした環境音のピッチ知覚,音響学会春季,2013/03/15
大富,川上,池田,(招待講演)音の認知構造の解明に関する研究動向,音響学会春季,2013/03/14
伊藤,川上,音による情報性の向上に向けた次世代型視聴覚案内地図の開発,インタラクション2013,2013/02/28